弊社のご紹介している「終活俳句」とは、終活に関する内容を俳句に詠むことではなく、終活の一環として、シニアの方が人生の後半・晩年に、新しい趣味として、俳句の勉強を始めることです。「終活俳句」は、人生の晩年をより豊かで穏やかな時間に導く、終活・趣味の1つだと考えています。
俳句は自由です。紙と鉛筆があれば出来ます。遠くに出かけなくても、身近の自然や季節のこと、日々のちょっとした出来事や過去という宝物を詠めます。体が不自由になっても、伴侶に先立たれて一人になっても、人生の最後まで、俳句は皆さんと共にあります。認知症予防にもいいそうですよ。
古語や旧仮名遣いや文法、類想類句や結社や入選、上手・下手など考えずに、自分の為だけに、「70の手習い・80の手習い・90の手習い・100の手習い」で、俳句と共にある生活・人生を始めてみませんか。
球磨川の時雨るゝ宿に旅寝かな 緑川行燈
令和6年11月12日
約束を忘れぬ鳥や鶴来たる 令和 6年11月15日
気が付けば小鳥の世界に暮らしをり 令和6年11月20日
悉く仏性あり
黄落の金の世界や阿弥陀仏 令和6年11月23日
死期自ら覚ゆる
此の道は誰もが一人秋の暮 令和6年11月28日
秋の風刻一刻の命の灯 令和6年11月29日
我が寿命因果に落ちて行く秋や 令和6年11月30日
銀杏散る桜と違う趣に 緑川行燈
令和6年12月1日
銀杏散りて桜無き世を満たしけり 令和6年12月1日
枯菊の如この命終わりたし 令和6年12月4日
セーターからポンと娘の頭かな 令和6年12月10日
湯豆腐や娘の箸に崩れゆく 令和6年12月12日
この世への未練を断てば冬銀河 令和6年12月22日
サンタへの娘の手紙預かりぬ 令和6年12月25日
ありがとうサンタにもパパにもしてくれて 令和6年12月25日
妻と子と小さき借家のおでんかな 令和6年12月30日
熱燗や聞かせておくれ「舟唄」を 令和6年12月31日
熱燗や心は過去を漂へり 令和6年12月31日
子の財布我より豊かお年玉 緑川行燈
令和7年1月2日
人の世に紛れてみらむ初詣 令和7年1月3日
七回忌
会えるなら雪女となるもよし 令和7年1月4日
水仙や憧れながら触れ難く 令和7年1月15日
凍滝の刹那のままにありにけり 令和7年1月20日
風花やあつといふ間の80年 令和7年1月25日
薄氷や今年の冬の忘れ物 緑川行燈
令和7年2月4日
窓の外雪解雫の春の足音 令和7年2月11日
春告げる雪解雫の砂時計 令和7年2月11日
十三回忌も終えて
春の雪二人で過ごした日々はあり 令和7年2月14日
死期迫れば
春雪や憂しと見し世も懐かしく 令和7年2月14日
紀友則殿
知る人ぞ知る梅見入る娘あり 令和7年2月22日
阿蘇
草の芽やもう待ちきれぬ牛の声 令和7年2月28日
久しぶりに長女・次女・三女・妻、揃ふ
迫力に満ちた我家の雛祭 緑川行燈
令和7年3月3日
公園
初恋の二人の上は木の芽時 令和7年3月10日
何も知らず、何も分からず、何も考えず、
駆け抜けた若かりし日々鳥雲に 令和7年3月13日
大いなる自然の連鎖に菫咲く 令和7年3月15日
花菫小さな喜び掬ふ日々 令和7年3月15日
死期迫れば
お金より朧月夜の散歩かな 令和7年3月28日
春雨や幼き頃の子守唄 令和7年3月29日
1月 2月 3月
行く逃げる去る本当に四月かな 緑川行燈
令和7年4月1日
とわ
花満ちて永遠とも刹那とも思ふ 令和7年4月1日
夜桜や神の円座に浮びけり 令和7年4月2日
見飽きぬや行く先々に花盛り 令和7年4月3日
囀や朝日に優しく響きけり 令和7年4月10日
麗しや残花の上に春の月 令和7年4月15日
菜の花の輝き誘ふ春の暮 令和7年4月18日
山都町
人里の高きに遠きに藤の花 令和7年4月25日
山道や右も左も藤の花 令和7年4月25日
桜散りても寂しからずや藤の里 令和7年4月25日
行く春や子の成長の矢の如し 令和7年4月27日
旅立ちや蒲公英の絮揃ひけり 令和7年4月27日